前回、教育資金の内訳について考えてみましたね。お子さんの可能性の芽を摘まないためとはいえ、衝撃的な金額になりました。
そうですね。確か合計金額は6,450万円。さらに私立に進学で医学部とかなら1億円超、ホントにびっくりしました!
前回の記事
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金額だけ見れば誰しも非現実的だと思いますよね。正直なところ、現実といいますか、ゆとりPACS利用者さんの多くは3,000万円前後に収まっています。実際、前回の記事に対してたくさんの方からお問い合わせやご意見ご質問を頂いています。
だってわたし、どこかで「子ども一人育てるのに1,000万円」っていうの見たことあるんです。それからするとかけ離れ過ぎてますし・・・
私たちはそれを間違った情報だとも思っていません。何にも興味を示さないお子さん、もしくは好きなことをさせないのであれば、1,000万円でも可能だと思います。ただ、前回の記事でもお伝えしていますが、お子さんの「やりたい」という可能性に備えるなら・・・という前提です。
そうでしたね、わたし、子どものことを考えると「できること全部してあげたい」って胸が熱くなるのに、現実的なお金の話になると「そんなの無理に決まってるじゃん」って頭が熱くなっちゃうんです。
ん~、皆さんそうですからね。当然、私も例外ではありません。しかし「子どものやりたいことは、やらせてあげたい」という気持ちに偽りがないのであれば、お金のことと真剣に向き合わなければいけませんよね!
そうなんです。だから今回は子どものために、お金のことと向き合います!
はい、それでは教育資金の貯め方について考えていきましょう。
お願いします。
項目とタイミングを洗い出す
教育資金の貯め方を考える第一歩として、まず必要な項目とタイミングを洗い出してください。
洗い出すということは、思いつく限りアウトプットすればいいですか?
はい、その通りです。出来れば何かに書き出してください。タイミングは年単位で構いません。例えば「4年後:小学校1年生」「5年後:小学校2年生」・・・や「7年後:小学校4年生お小遣い」「8年後:小学校5年生お小遣い」・・・他にも「11年後:学校外活動費」「19年後:就職活動費」など、項目別で年単位に分けてください。
えーっと、例えば小学校5年生の習い事も「小学5年生」としてひとまとめでいいんですか?
いいえ、可能な限り項目ごとに書き出してください。その方があとで調整しやすくなります。その例ですと同じ1年間でも「小学校」「習い事」「お小遣い」などですね。
えっ!?結構たいへん・・・
大変だと思います。今までやったことないわけですから。でもこれが現実と向き合うということです!お子さんの1年1年を想像し、何がありそうなのかをしっかり考えてみましょう。
わかりました。自信ないですけど主人と相談しながらやってみます。
前回の記事を参考にしていただいても構いませんが、あのイベントや数字があなたの価値観にあうかどうかは分かりません。あくまでも参考程度にお願いします。
頑張ります。
金額を調べる
項目とタイミングは書き出せましたか?
何とかできました。抜けてることもありそうですけど・・・
抜け漏れなく完璧でなければいけないわけではありません。生活していくと段々やらせてあげたいことが増えたり、反対に不要になったりします。それらはその都度、修正をする必要がありますが、そうしてどんどん現実的な計画が立てられる様になりますので、はじめに完璧である必要はありません。
そう言ってもらえると気が楽になります。
ここから少しずつ手間がかかるようになります。まず、洗い出した項目に必要な金額を様々な情報から調べて算出してください。
それは大変ですね、できるかな~。でも現実と向き合うってそういうことですよね!
そうですね。そうやって現実と向き合えば向き合うほど、お金を貯めなきゃいけない気持ちが強まりますよ!
金額を積み立て年数で割る
それでは次に、先ほど算出した金額を積み立て年数で割ります。
えっと~、6年後の項目で120万円の予定があるので、6で割って20万円ってことですか?
すみません、説明不足でした。6年後に予定している金額は、その前年末に貯め終わっていなければならないため、6年後の予定なら積み立て年数は5年です。つまりその計算ですと120万円を5年で割ります。すると24万円が正解になります。
はい、じゃぁその計算で出来ました。すごくたくさんありますけど・・・
しっかり考えてみるとたくさん出てきて当然です。ちなみに計算上だけで考えれば、年数で割って出た金額の全項目を毎年貯めていけば良いわけです。参考までに前回考えてみた教育資金のうち小学生1,030万円を単純に年で割って算出してみます。
はい、お願いします。
お子さんの小学校6年間の費用は、0歳児1年間でいくら貯めるべきでしょうか。この参考算出では考え方のみですので、習い事費など分けずに合算しています。
ホントは別々に計算していくってことですよね。
はい、そうです。まず小学生でかかる費用1,030万円を単純に6年間で割ると1,716,667円、これが1年生でも、2年生でも、3年生でも…毎年必要になる費用とします。小学校1年生のための費用1,716,667円は、0歳児から6年かけて貯めることができます。積み立て年数6年で割ると286,111円。これが小学校1年生用に積み立てる年額になります。
そうなりますね。
続いて小学校2年生のための費用1,716,667円を0歳児から7年間、積み立てることができますので7年間で割って245,238円となります。
はい、まだついていけてます。
続いて小学校3年生のための費用1,716,667円を0歳児から8年間の積み立て期間割ると214,583円となります。
あとは4年生分190,741円、5年生分171,667円、6年生分156,061円ですね。
はい、ありがとうございます。それらを合算すると0歳児1年間で積み立てる小学校6年間分の金額は1,164,401円になりますね。小学校入学前まで6年間積み立てると1,030万円のうち6,986,406円を貯められるわけです。
すごい金額ですね。
当然、入学後は1年ごとに積み立てる金額が下がっていきます。また、想定ほど費用が掛からなければその他の想定に割り当てることができます。
なるほど、早めに積み立てておくわけですね。
どんな状況であっても対応できるようにしておくためです。同様に他の1~3歳、4~6歳、中学校、高校・・・とすべて計算すると、総額6,450万円になる教育資金を0歳児1年間で積み立てる金額は7,664,007円になります。
え…絶対無理・・・
ご安心ください。毎年これだけ準備できるご家庭はそうそうありませんので。ただ「何でもやらせてあげたい」では上限が計れませんが、現実的に可能な範囲をこの逆算で考えていくことができます。
確かに!わたしの家計で可能な教育資金が見えてくるわけですね。
積立割合を計算する
先ほど計算した通り、積み立て年数で割った金額を単純に足した計算では、非現実的でした。
はい・・・どうしたらいいんですか?
はい、非現実的な金額がわかっても何の意味もありません。現実的にするための計算をしていきましょう。
ぜひ現実的にしてください。
はじめに教育資金を項目別にアウトプットしてもらいました。すべてを足すと非現実的であれば、項目自体を削ることも必要かもしれません。
例えば「うちの家計では大学の下宿はさせてあげられない」とかですか?
そうですね。現実的に考えて何ともならないものに希望を抱いても、お子さんが苦しい思いをするだけですからね。もしくは、この時点で奨学金や教育ローンの覚悟をする選択肢もあります。
やっぱりそうなりますよね。
ただ解決策はそればかりではありません。項目自体を削るのではなく、内容を見直してみるという方法もあります。
例えばどんなことが考えられますか?
例えばその下宿であれば「家賃だけなら出してあげられる」などの調整です。
そっか、その項目に少しでも出してあげられれば、子どもの選択肢をあきらめなくていいですもんね。
はい、その「少しでも」の金額を算出するために、項目ごとの積立割合を計っておく必要があります。
それはどうやって計算すればいいですか?
はい、計算方法は簡単です。先ほど0歳児に積み立てる合計金額7,664,007円を算出しましたが、それを分母とします。そして分子は積立割合を計りたい項目の金額です。
え~っと・・・ってことは・・・
先ほど参考までに計算したものですと、小学校6年生用の積み立ては年間156,061円でした。ということは、156,061円÷7,664,007円×100≒2.04%になります。
はい・・・そうですね。その2.04%は何の数字ですか?
0歳児1年間に教育資金として積み立てられる総額のうち、2.04%が小学校6年生用ということです。
あぁそういうことですね!
現実的な数字に落とし込む
ここから逆算してみましょう。仮にお子さんの教育資金として年間で積み立てられる金額を120万円とします。その場合、120万円の2.04%、24,480円が小学校6年生用に充てられるわけですね。
はい、ということは・・・
24,480円を6年生になる前年末までの11年間積み立てるので、小学校6年生用に269,280円を準備することができます。
なるほど、じゃぁ例えば長期留学の項目自体を削る場合はどうなりますか?
項目自体を削る場合も、金額変更のみをする場合も教育資金の総額が変わりますので計算し直しになります。
えぇーっ?!面倒くさいな~
ん~そうですよね。例えばはじめに算出したものを基準に、積立金額も、想定する金額も、一律10%下げるとかであれば積立割合をそのまま使えますけど。
一律で下げると都合の悪い項目も出てきますよね。
はい、そのため再計算が必要になります。
ん~これは大変!
大変ですが、積立割合を出しておくと、思いのほか賞与が多かった場合や、反対に収入が減少した場合などにも応用が利きます。
毎月の積み立て
ここまでの計算ができましたら、あとは毎月の積み立てを進めていくことになります。
そうですね、そこに注意点はありますか?
はい、積み立てに充てられている金額は毎月の給料や出費により変動するはずです。その都度、残りの積み立てるべき金額と積立合計金額をもとにした計算は必要です。また、積立金額のうち、出費したもの(済んだもの)は積立総額から差し引きして積立割合を再計算しなければいけません。
えぇーっ?!それを毎月するんですか?
毎月こまかく計算しなくても、問題にならない期間もあるかもしれません。しかし例えばお子さんが「ゲームプログラマーを目指すからパソコンが欲しい」と言ったら数十万円のパソコンを買ってもいいのか判断しなければいけません。予定にないから買わないというわけにはいきません。
あ~そういう突発的なことがあったらどうなりますか?それまでに何百万円も積み立てできてたら数万円~数十万円くらい、払っても良さそうですね。
それが危険な判断になります。もともと収入に余裕があるなら積立金額を修正しなかったはずです。それを修正してまで切り詰めた積立金です。それを「たぶん大丈夫」という思い込みで使ってしまったら、別の項目にしわ寄せがいきます。
まぁ…そうですね。パソコン買うからって簡単に「留学なしね!」とは言いたくないですし。
その時に「いいよ」と言ってあげるために改めて計算するとなると、想定していた教育資金のうち今までにいくら使っているのか、もう削りようのない想定ならどれくらいペースを上げて積立金額を増やさなければいけないのか・・・はじめから計算するのと変わらない労力を要します。
それならやっぱり毎月確認して微調整くらいをする方がいいですね。
はい、家計の変化を把握しておけば、よっぽど間違った判断をしにくくなります。
わかりました。じゃぁ頑張って教育資金の準備を始めてみます。
はい、可愛いお子さんを思いながら現実と向き合ってみてください。
まとめ
ということで今回は「感情に流されない!教育資金の貯め方」について解説しました。いかがでしたか?
たぶんですよ?たぶん無理だと思います・・・もし、自分で出来そうになかったり、「やっぱり無理!」ってなったら助けてもらうことできますか?
大丈夫ですよ、ご遠慮なくご相談ください。誰しも得意不得意はあるでしょうし、そもそも子育て世代や共働き世帯では時間に限りがあります。こういった計算や管理に時間を割くくらいなら、ご自身のためやお子さんと向き合う時間に充ててもらいたいです。
そう言ってもらえると心強いです。
今回の解説だけでは伝わりにくかったと思います。計算方法についてのご質問やご相談、もしくは積み立ての管理も含めてお任せいただくことも可能です。様々なご相談方法をご用意していますが、まずは以下のお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
最後まで熟読いただき
ありがとうございました。
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